嶺北林材新製材ラインの見学会を行いました
8/18(火)に嶺北林材協同組合の新製材ラインの見学会を行いました。
嶺北地域内外から25名程の参加があり、新しい製材機械やそれに伴う仕入れ原木や加工していく製品の変化について意見交換をしました。
ご案内いただいたのは嶺北林材協同組合の坂本一代表理事です。
新しい製材ラインを導入した経緯
嶺北地域のスギ・ヒノキの人工林の多くは植えられてから60年近くが経ち、森林資源として成熟してきています。森林の成長に伴い木も太くなってきて、搬出する丸太の直径は大きくなります。
一方で木材を加工する製材業の方では、これまで多かった直径が30㎝より細い木材の加工に特化してきました。建築材料としてもそこまで太いものが必要なわけでもなく、単価を見ると径20㎝前後の木材が最も高く、太くなると逆に安くなるという状況が続いています。
そんな中で、これまで活用されにくかった資源を活用できるように直径が30㎝を超える材(大径材)を加工できるような機械が導入されました。

受け入れた丸太を製材するまで
事務所から場内に入り、まず始めに目にするのは、はい積みされた原木丸太の山と皮むきのヤードです。皮むきの工程では、丸太の向きを揃えながら直径を測り、太さごとに仕分けていきます。

皮むき機(リングバーカ)を通過し、皮を剥かれた丸太は、製材設備のあるヤードにフォークリフトで運ばれていきます。ここで発生した木屑は乾燥時の燃料として利用されます。
なお、乾燥設備は全体で6機あって、製品のサイズなどに応じて温度や期間を調整して乾燥をしているそうです。

いざ製材工程へ
次は、今回の見学会のメインスポットである製材工程です。
以前までは、非接触レーザーを当てて、丸太の形状や曲がりの程度を総合的に判断したうえで木取りを設定しており、モニター室には人が常駐する体制で行われていました。
今回、新しく導入された製材機による加工過程を見てみると、まずその速さに驚きます。30秒ほどで1本の丸太が柱や板に加工され、次の丸太がセッティングされます。

さらに驚くのは機械の操作室に人がいないということです。
木の形状を計測した情報にもとづき、あらかじめセッティングされた製品寸法から製材の仕方(木取り)を決めて、それ通りに製材していきます。ノーマンと呼ばれる機械で、今ではそれほど珍しいものではありませんが、実際に機械が勝手に判断しているのを見ると、その速さと自動化に驚きました。

二枚の刃が並んだツインバンドソーに向かって丸太が送られる速度もかなり速く、帯鋸の刃に工夫が施されているようでした。
丸太が滞りなく次々と高速で捌かれていく光景は、いつまでも眺めていられそうな気になります。
加工された製材品が流れていく先では、製品の状態を人の目でも入念にチェックされていました。

今回導入された機械は大径材を加工できるというだけでなく、生産効率も向上したため、より少ない人数で生産量を増やすことができるということでした。
新しい機械が導入されたからといってすぐに大径材の利用がどんどんできるわけではなく、既存の取引先もあるので一旦はこれまで同様の製品を作っていくそうです。限られた量で大径材を加工しながら、販路を広げつつその活用方法を検討していきたいとお話しされていました。

今後の課題や対応について
見学会後の意見交換では、材の仕入れに関してや、大径材を加工した製品の強度や売り先、JAS対応など今後の展開などについて質問がありました。また、木材の輸出などについても対応していくようです。
課題としては販売以上に原材料(原木)の確保の方が強いようで、自社で山林の購入も始めているようです。伐る人の減少に伴って出荷量が減っているようにも感じられており、素材生産に携わる林業者の人材育成が求められていることを改めて認識しました。
今ある古い機械も順次更新していくようで、今後の動きにも引き続き注目して、地域の林業者の皆さんと情報共有していきたいと思います。